カテゴリー : ディスクレビュー

Jesus Fever / lemniscate

Jesus Fever / lemniscate
  • Year: 2010
  • Label: JUNK Lab Records / green records

1998年の1stアルバムから12年、幻と言われたJesus Feverの2ndがついに出ました。4月に先行発売された4曲入りCD−R”lemniscate 1″の収録曲から”see you again”をのぞき、代わりに”Transit State”, “Unseen”を加えた全5曲。ほんとうは6曲入りにするはずがCDの容量が足りなかったようで、CDを買うと未収録曲のダウンロードキーが付いてきます。また、CD以外にも、ototoyのダウンロード販売では48kbps/24bitの高音質wavファイルの形式で購入できます。

2002年に録音されたというこの音源、8年後の今聴いても全く古びていません。音数を絞っていて一見地味なように聴こえるけど、聴けば聴くほど染みる雄大な音世界。仙人の境地のような音楽。なんとなくJesus Feverの音を聴くと「緑」の風景が浮かぶことが多かったので、今回のジャケも音にぴったりだと思いました。

FMN石橋さんの解説、様々な人がコメントを寄せた“Our Favorite J.F.”も併せて読むとより味わい深くなること請け合い。

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Shako-Pani / Relyneline

Shako-Pani / Relyneline

8月にはマルチネレコード初のCD発売も控え、活況のネットレーベル界隈。そんな中、Shako-Paniの新譜がリリースされました。

で、Shako-Paniの待ちに待った新作なんですが、これはほんとうによいです。これまではアニメのサンプルを多用したネタっぽい音源が多かったのですが、今回はそういった色を一切押さえており、Shako-Paniの持ち味のメロディーセンスが生かされていると思います。今のネットレーベル界隈ってサンプリングもの中心の人が多い気がするんですが、そんな中メロディー重視の曲を作り続ける彼はもっと評価されていいはず。インストでも伝わるアニメっぽい雰囲気で好き嫌いが別れるかもしれませんが、僕は好きです。Rephlex周辺が好きな人はぜひ聴いてみてほしいです。

ちなみに、ネット上の活動を中心としているアーティストの中で誰が好き、と聞かれれば、今の僕はこのShako-Paniとguchonの名前を挙げます。guchonはブレイクコア、ゲーム音楽、TKなどをごった煮にしたMegamixが最高。

あ、マルチネといえば、先月リリースになったDorianは素晴らしいので未聴の人はぜひとも!もちろんタダ!

シノワ / Bloom 光の世界

シノワ / Bloom 光の世界
  • Year: 2001
  • Label: GYUUNE CASSETTE/CHILDISH SOUP

現在は山口で活動するシノワが関西で活動していた時期に出した1stアルバム。やわらかい女性ボーカルをアコースティックかつサイケな演奏で聴かせる、関西っぽい歌もの。ポップなメロディーのは勿論魅力的ですが、そこに絡むファズギターのほどよい酩酊感がなんとも言えず気持ちいい。羅針盤とか好きな人はきっと好きだと思います。その羅針盤のメンバーがライナーノーツを書いています。

BP / ゴールデンBP

BP / ゴールデンBP
  • Year: 1997
  • Label: ZK RECORDS

もう解散してしまった男性1人、女性3人から成る4人組バンド・BPが唯一残したアルバム。一言で言えば「ハードコア+シューゲイザー」な音。爆音で勢いまかせな演奏、絶叫型男性ボーカルと繊細な女性ボーカルの掛け合い、あまりよくない音質、全てがツボ。大好き。いかにも90年代後半の日本のインディーバンドって感じの音な気もするけど、それでもBPは今聴いても楽曲のセンスがずば抜けていいと思う。メロディーもすごくいいし、アレンジもかっこいい。

PANICSMILE / EATS TOKYO ALIVE!

PANICSMILE / EATS TOKYO ALIVE!
  • Year: 2005
  • Label: Headache Sounds

5thアルバム発表後わずか半年でリリースされたパニスマ初のライブ盤。NATSUMENのASE氏がミックスを担当し、ライブの臨場感、緊迫感が余すところ無く収録されています。選曲も3rd〜5thまでを網羅したベスト盤的なものとなっており、パニスマ入門盤としてはうってつけ。アルバム未収録曲「Stiff Little Finger」「Hades Serenade(きよしこの星のまま)」も収録。しかし、一番びっくりしたのは、このアルバムのTHANKSリストにこのサイトの名前が記されていたことでした(事前連絡なし)。最初見たときはほんと声出して驚いた。光栄すぎます。

PANICSMILE / MINIATURES

PANICSMILE / MINIATURES
  • Year: 2004
  • Label: P-VINE RECORDS

前作に引き続きプロデューサーにNATSUMENのASE氏を迎えてのパニスマ5thアルバム。前作まではドラムの石橋英子ボーカルの曲が中心となっていましたが、今作では一転して吉田肇ボーカルの曲が中心。曲調もずいぶん変わり、1stや2ndを彷彿とさせるようなハードな音になっています。それでもお得意の変拍子とか複雑で唐突な曲展開なんかは相変わらずで、彼らにしか出せない音を出しています。10年以上のキャリアを誇るバンドのアルバムとは思えないほど初々しい衝動に満ちています。

NATSUMEN / Endless Summer Record

NATSUMEN / Endless Summer Records
  • Year: 2005
  • Label: TOPMEN/BLITZ・PIA RECORDS

「KILL yOUR WINTER!!!」に続き、満を持して発表されたNATSUMENの1stアルバム。ライブ活動を開始して3年近く経ってからの初音源リリースということで、これまでのライブを総括するような内容なのかなあ、具体的に言えば、「Whole lotta summer」とか「Pills to kill ma August」とか、ライブでおなじみの曲中心のアルバムなのかなあ、と僕は事前に予想してたんですが、予想を大幅に裏切って、ライブで演奏したことがほとんど無いような新曲を中心としたアルバムでした。インプロ志向と言うかカオティックと言うか、メンバーチェンジ後のNATSUMENの色が強く出た感じ。これはこれで悪くないんだけど、食い足りないというのが素直な感想。それでもかなり聴いたけど。

NATSUMEN / KILL yOUR WINTER!!!

NATSUMEN / KILL yOUR WINTER!!!
  • Year: 2005
  • Label: TOPMEN/BLITZ-PIA RECORDS

待望のNATSUMEN初音源となる3曲入りCD。店舗限定で枚数も限定で発売され、瞬く間に完売して今やレア盤となっているようです。ライブでおなじみ「Newsummerboy」のスタジオ録音、「Sonata of the summer」「Natsu no Mujina(BOAT時代のAkiramujinaのNATSUMENバージョン)」のライブ録音を収録。3曲ともいいんだけど、このアルバムはとにかくNewsummerboyに尽きると思う。イントロからぶっ飛ばされる。複雑な高速リズムに爽快で泣けるメロディーをのっけて疾走する、NATSUMENの魅力がダイレクトに伝わる超名曲。限定盤とかそういうのは僕はあんま好きじゃなくて、いい作品はなるべく多くの人の手に渡るようにした方がいいと思うので、ぜひとも再発してほしい。

RIDE / Smile

RIDE / Smile
  • Year: 1990
  • Label: SIRE/Reprise

インディー時代の2枚のEP(「Ride EP」と「Play EP」)の内容を1枚にまとめた編集盤。初期のEPは入手困難ですが、これは今でも簡単に買えます。デビュー当時の作品ということで、荒い音作りではありますが、それでも既にRIDEならではのスタイルが確立されていることには驚き。あまりのきらめき具合に、聴いててクラクラします。全然古さを感じさせず、何年経っても瑞々しい感覚を味わわせてくれる音。初期の代表曲「Chelsea Girl」「Like A Daydream」収録。

FLUID / SCIENCE FICTION OF NONE

FLUID / SCIENCE FICTION OF NONE
  • Year: 2004
  • Label: FUGA RECORDS

京都の4人組の1st。同じく女性をボーカルに据えたPANICSMILE, Melt-Bananaあたりのバンドの影響を感じさせつつ、独自の世界を作り出してます。アバンギャルドなフレーズの絡み合いをポップに聴かせるところが今風な感じがしました。もし僕に楽器ができたなら、こういうバンド組みたいな、と思わせるような音。正直このアルバムは今一歩食い足りない感があったりするんですけど、センスのよさは十二分に伝わってきます。たぶん2ndはもっとすごいです。と勝手に予想してみました。

RIDE / Nowhere

RIDE / Nowhere
  • Year: 1990
  • Label: SIRE/Reprise

内向的でひ弱なお坊ちゃんたちが、客を見ずに自分の足元=靴を見て演奏したことから名づけられたジャンル・シューゲイザー(Shoegazer: 「靴を見る人」の意)。そのシューゲイザーの代表格バンドの1stフルアルバム。ギターの轟音よりも、美しいメロディーがこのアルバムの特徴であるように思います。決して上手いとは言えない青々しい歌声がまた最高。メジャー移籍後の作品ということで導入されたストリングスも、メロディーの綺麗さをいっそう際立たせています。シューゲイザーと言うとマイブラばっかり名が挙がるけども、RIDEのこの1stも「loveless」と並ぶ名盤中の名盤ですよ!

Satanicpornocultshop / Anorexia Gas Balloon

Satanicpornocultshop / Anorexia Gas Balloon
  • Year: 2004
  • Label: SONORE

WIRE誌で取り上げられたりして、妙に海外で評価が高いらしい大阪のユニットの5枚目のアルバム。Velvet Undergroundの「Candy Says」から始まり、宇多田ヒカル、スピッツ、カイリー・ミノーグなどの曲をコラージュしてみたり、中近東っぽかったり中華だったり、ヒップホップだったりテクノだったりアンビエントだったり、聴けば聴くほど謎の深まるアルバム。国籍・ジャンル不明。でもビートの芯はしっかりしていて、全体としてはなんかポップに仕上がってるのがまた不思議。不思議なのでまた聴いてしまう、そんな中毒性を持った作品です。

Stars As Eyes / Enemy Of Fun

Stars As Eyes / Enemy Of Fun
  • Year: 2002
  • Label: tigerbeat6

プロヴィデンス(Lightning Boltなどがいるアメリカ北東部の都市)の2人組、Stars As Eyesの2ndアルバム。基本はエレクトロニカですが、ギターの音をガツガツ使ってかなりロック色が強い作品。シューゲイザー的要素も強く出てます。この人らはとにかく生音と電子音の使い方のバランスがよい。アップテンポで踊れる曲も、ダウンテンポでメロディアスな曲もそつなくこなす優等生的アルバム。その器用さのおかげか、tigerbeat6の中ではあんま目立ってない気がしますが、このアルバムは非常によいです。もっと話題になってもいい気がする。

V.A. / ビザールデッド〜鮮血の美学〜

V.A. / ビザールデッド〜鮮血の美学〜
  • Year: 2003
  • Label: Sledge Records

架空のゾンビ映画「ビザールデッド〜鮮血の美学〜」のサントラというコンセプトで製作されたコンピレーション。PANICSMILE/Headache Soundsの吉田肇プロデュース。参加バンドはCHINACHOP、Electric Eel Shock、Kovacs、ザ・シロップ、93PANICSMILE、SIGONNAIR、ザ・クルブシーズ、Bossston Cruising Mania、nontroppo、サイクェデロップ・ギザ&ギザ・アナーチコの10組。統一感があるのかないのかよくわからんメンツ(そのへんがいかにもHeadache Soundsらしい)ですが、アルバム全体としてはアンダーグラウンドに振り切られすぎず、割とポップでとっつきやすい感じに仕上げられております。個人的には、CHINACHOP、93PANICSMILEあたりが好きでした。

NUMBERS / In My Mind All The Time

NUMBERS / In My Mind All The Time
  • Year: 2004
  • Label: tigerbeat6

NUMBERSの2ndアルバム。前作にあった荒削りでパンクな雰囲気はやや影を潜め、全体的に音が丸くなってる気がします。音の路線は相変わらずで、アナログシンセがビコビコいってるディスコパンクなんですけど、全体にいまいち曲のフックが弱い気が。もう一展開あったらいいのに、って曲が多いように思いました。でもまあ、このバンドお得意のロボット的なつんのめりビートはやはり聴いてて楽しくなります。

NUMBERS / NUMBERS DEATH

NUMBERS / NUMBERS DEATH
  • Year: 2003
  • Label: tigerbeat6

1stアルバム「NUMBERS LIFE」のリミックスアルバム。参加者は、tigerbeat6主宰kid606を始めとして、Kit Clayton、Gold Chains、Dat Politicsなど総勢13組。原曲の良さを生かしつつ、各自の持ち味を出しながら仕上げられたチープでニューウェーブなダンスミックスが収められております。これ単体でも十分楽しめるけど、「NUMBERS LIFE」とセットで聴くのがよいかと。

ニーハオ! / RED

ニーハオ! / RED
  • Year: 2004
  • Label: UMMO RECORDS

Limited Express (has gone?)のvo/bのYUKARIを含む女性トリオの1stミニアルバム。ベース2本にドラムという変則的な構成で、赤青緑の原色のジャージ姿で演奏するという事前情報からも興味をそそりますが、音の方もかっこいいです。関西ならではのはじけっぷりを持った天然気質のストレンジポップ。アイドル指数も高めで、僕のストライクゾーン直撃です。モユニジュモ(イルリメ)、二階堂和美と言ったゲスト陣も豪華。

Kid606 / who still kill sound?

Kid606 / who still kill sound?
  • Year: 2004
  • Label: tigerbeat6

前作から1年もたたずに出てしまったアルバム。タイトルからして「kill sound before sound kills you」の姉妹盤といった感じですが、これはよりフロア寄りというか、踊れる方向の音になってます。音質は非常にハイファイな感じで、初期のノイジーな雰囲気は微塵もありません。クラブでかかったら確実に盛り上がるとは思いますが、もうこの路線はいいかな、という感じ。Kid606のいいとこは音の振れ幅の大きさだと僕は思ってるので、次は新規路線を開拓していただきたいです。

Kid606 / kill sound before sound kills you

Kid606 / kill sound before sound kills you
  • Year: 2003
  • Label: ipecac recordings

「ps I love you」以来となる久々のオリジナルフルアルバム。ラガジャングル/ガバ路線の激しい曲から、おとなしくて綺麗な曲まで幅広く収録されてます。確かに面白いし踊れるけど、初期の頃と比べるとなんか落ち着いちゃったなあ、という印象を持ったりしました。「down with the scene」の頃よりも音のビックリ感が減ったような。これを聴いて「停滞」ととるか「成熟」と取るかは人それぞれでしょう。僕はどっちにも感じました。

Kid606 / ps I love you

Kid606 / ps I love you
  • Year: 2001
  • Label: Mille Plateaux

ミルプラトーからのリリースってことで、彼の馬鹿で激しい部分は影を潜めたグリッチ/クリック路線な作品。キレイキレイしたミニマルな電子音の中に時折顔を出すノイズが心地よい。頭の中でぐるぐると音が回りまくる4曲目の「Twirl」が特に好きです。

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